姫路藩和船建造委員会

１. 概要

　失われようとしている和船建造技術を後世に伝えるため、姫路城の堀で使用されていたであろう和船を建造し、その建造過程を記録すると共に、この機会に若い船大工を養成することにより和船建造技術を維持し、祭礼用の船など今後も少数ながら建造されると思われる木造船の建造・修理の拠点とすることも目指したい。
　建造した和船は、世界遺産に指定されている姫路城を堀の水面から眺める新しい視点からの文化財学習、観光あるいは城の石垣を背景にした和船による行事などに活用し、姫路城の観光振興や地域振興に役立てる。

２. 国補助事業の指定

　「近世城郭都市の歴史遺産を活かした賑わい創造事業実行委員会」と協同し、文化庁が実施する「平成２４年度文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」について、補助申請を行った結果、その中の一事業として認定を受ける。（平成２４年４月９日、文化庁記者発表）

３. 事業内容

(1)姫路藩和船調査事業

・姫路市をはじめ姫路藩ゆかりの地に残されている資料等を調査し、姫路藩で利用されていたであろう和船の姿を調査する。

(2)和船建造記録事業

・和船を実際に建造し、建造の過程を写真・ビデオで記録するとともに、詳細な図面を制作する。

(3)後継者の育成

・和船を実際に建造し、和船建造の後継者育成を行う。
・和船建造過程見学会を実施する。

(4)継承のために用いる用具の新調

・和船建造に使われた大工道具の調査・収集を行う。集めた大工道具については可能なものは実際の建造にも用いる

(5)普及啓発事業

・市と連携して和船建造工程見学会や乗船体験会等を行う。